翌日、腕の傷はまだ痛んだけれどあたしは1人で家を出た。


同級生たちと鉢合わせするのが嫌で、休憩時間を選んで雑貨店へと向かった。


数回訪れただけの雑貨店なのに、古びた看板を見るだけで懐かしさを感じた。


お店の前には100円均一の自動販売機と、コカ・コーラの赤いベンチ。


店内へ足を踏み入れると、小さなカウンターに所狭しと文房具が置かれている。


「はい、いらっしゃい」


出迎えてくれたのはここの奥さんで、50代後半くらいの人だった。


ふっくらとした見た目で笑った顔が可愛らしい。


「こんにちは。あの、日記を探しに来たんです」


あたしは軽くお辞儀をしてそう言った。