復讐日記

☆☆☆

花音は絶対に復讐日記を持っている。


自転車を押して家へと帰りながら、あたしはそう確信していた。


花音の家に行った日から、花音は電話にもメッセージにも返事をしなくなった。


きっと、復讐日記を手に入れたからだ。


あたしには日記を使うなと言いながら、本当は花音自身があの日記を欲しいを思っていたに違いない!


あたしは下唇をきつくかみしめた。


あたしが書いていた日記はもうすぐ終わる。


そうなれば……。


一瞬、両親が事故死する映像が脳裏を走った。


2人分の頭があたしの足元へゴロリと転がって来る。


「どうしても、花音から日記を取り返さなきゃ……」


あたしは、そう呟いたのだった。