復讐日記

吉田はまたイヤホンを付け、スマホを見ながら歩き出す。


あたしが付いて行っていることにも気が付かない。


好きな音楽を聞いているようで、鼻歌がこっちにまで聞こえてきた。


大通りを抜けて、階段へと差し掛かる。


「ふふっ」


あたしは吉田の背中を見つめて笑い声を立てた。


長い長い下りの階段。


鼻歌を歌う吉田が足を踏み外してしまうまで、時間はいらなかった


一段目で足を踏み外した吉田は、そのまま階段を転落していく。


まるでサッカーボールのようにゴロゴロと転がっていく。