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翌日、あたしはバイト先へと向かっていた。


2日続けて休んだから、今日は出勤しなきゃいけない。


まだ開店前の店に従業員入口から入って行くと、すでに数人パートさんが出勤して来ていた。


「海老名さん、大丈夫だった?」


吉野さんがすぐに声をかけてきてくれた。


「大丈夫です。葬儀も終わったし、今日からちゃんと出勤できます」


そう言うと、吉野さんはホッとしたようにほほ笑んだ。


「それなら良かった。昨日葬儀場で火災があったでしょ? もしかして巻き込まれてるんじゃないかと思って、心配したんだよ」


「葬儀は別の会場で行われていたから、大丈夫でした」


あたしはなんでもないように嘘をついた。