絶対彼氏

「説明書はもういいよな」


雄大がそう言い、アンドロイドの体の上に置かれている説明書を勝手に取り出した。


あたしは大きく息を吸い込む。


アンドロイドを起こす方法は、もう知っていた。


「洋二」


名前を呼ぶ。


段ボールの中の洋二が身動きをして、ゆっくりと顔を上げた。


その顔にドキンッと大きく心臓が跳ねた。


洋二と寸分変わらないアンドロイドの顔。


「おはよう、カレン」


すぐにあたしを認識して、そう言った。


その声にあたしは大きく目を見開いた。


「すっげぇ! 声が洋二そのままじゃん!」