絶対彼氏

「そうだな。座ってるだけならオリジナルの洋二と見分けがつかない」


2人の会話にため息が出てしまう。


座っているだけなんて、そんなの彼氏じゃない。


ただの人形だ。


あたしは洋二の手を握りしめてみた。


洋二は笑顔をこちらへ向けているが、握り返しては来ない。


「どうすればいいんだろう? 一緒にいる内にどんどん記憶していくのかな?」


「それは無理だろ。学習機能が付いてるなんて書いてないしな」


説明書をしていた雄大がそう言った。


「じゃあ、この洋二はずっとこのままってこと?」


「そういうことだな」


ますますため息が大きくなる。