あたしを呼び留めたのはあたしが好きな相手じゃなくて、興味のない他人なんだから。 「今日も早く帰るのか? 今日はサッカーの練習試合なんだけど――」 「帰る。さようなら」 あたしは洋二の言葉を最後まで聞く前にそう言い切り、教室を出たのだった。