絶対彼氏

「だからね、昨日から優奈のことこっそり後をつけてたんだよ」


逃げようにも、逃げ道がない。


あたしの後方には冷たいロッカーがあるだけだ。


「そしたらさ、教科書が切り刻まれてたんだよね」


あたしは何も返事ができなかった。


ユキエの視線にがんじがらめにされている感覚だ。


「絶対に犯人を見つけてやると思って、今日も朝早くに登校してきて、隠れてたの」


ユキエがもう目の前まで迫ってきていた。


体中から汗が噴き出す。