「カナタ、美春のことはどうしたんだよ」


パンを頬張りながら、1人の男子生徒がそう質問しているのが目に入った。


思わず聞き耳を立ててしまう。


美春先輩はトイレで泣いていた。


あの後2人がどうなったのか、あたしは知らない。


「もう美春のことはいいんだよ」


カナタ先輩の冷めた声が聞こえて来る。


「どうしたんだよ。あんなに好きだって言ってたのに」


「もっと気になる子ができた」


カナタ先輩は躊躇することなく、そう返事をした。