それから買ったばかりの服をクローゼットから取り出した。


買ったのはタイトな白いワンピースと、黒いハイヒール。


それにラメ入りのストッキングだ。


どれもこれも初めて着るものばかりで緊張する。


すべて支度を終えて鏡の前に立つと、自分じゃない女の子がそこに立っていた。


くるりと一回転してみる。


変なところはどこにもない。


この外見に似合う名前はもう考えてあった。


ユナだ。


カタカナでユナ。


ユウナとかユイナなら可愛い系っぽくなるけれど、ユナは綺麗で覚えやすい。


「あたしは今からユナよ」


鏡の中の自分に向けてそう言ったのだった。