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土曜日の朝。


あたしは早い時間に起きていた。


勇とのデートが楽しみ過ぎてゆっくり眠ってなんていられなかった。


朝ご飯を食べて、仕事へ行く両親を見送り、すぐに自室へと舞い戻った。


箱にしっかり入れて置いて綺麗なフェイスを取り出す。


あたしは今から美人になる。


それもとびきりの美人にだ。


背筋を伸ばし、自信に満ちた笑顔を鏡の前で浮かべた。


そのままフェイスをピッタリと装着する。


それだけでもう別人だ。


あたしは鏡の前でほほ笑んだり、拗ねた顔をしてみたりした。


表情もしっかりと作れる。