その時だった。


勇が視線をこちらへ向けた。


一瞬目が合う。


ハッと息を飲み、咄嗟に顔を伏せていた。


今はフェイスを付けているんだから、逃げる必要なんてないのに。


それでも1度伏せてしまった顔をすぐに上げるのは不自然で、あたしは勇から視線をそらせたままだったのだった。