大股で歩いていると、後方から話声が聞こえてきてあたしは振り向いていた。


丁度校門から出て来た制服姿の男女。


楽しそうに談笑しながら歩いているその人は……梓と、勇だった。


心臓が停止してしまったかと思った。


今日の勇の用事って、梓と2人で帰る事だったの?


そんな気持ちが浮かんできて、咄嗟に電信柱に身を隠した。


2人が通り過ぎてしまうのを、息を殺して待つ。


あたしのすぐ隣と2人が並んで歩いて行く。


その後ろ姿はとても楽しそうで、そして幸せそうに見えた。