トイレの中に自分の声がこだまして、彩羽は黙り込んでしまった。


「結局は顔なんだってば! 彩羽はそんなに可愛いんだから、あたしの気持ちなんてわからないよ!」


「葉月そんなことないってば」


彩羽が泣きそうな声でそう言った。


その声に一瞬ハッとしたけれど、あたしはそのままうつむいてしまった。


「1人にして」


冷たくそう言うと、彩羽がトイレを出て行く音が聞こえて来たのだった。