「相手の子はすごく可愛かった。だから相手にされなかったんだよ」


美春先輩はもう泣き止んだようで、今度は愚痴に変わっている。


罪悪感と同時に優越感が湧いてくるのを感じた。


あの美春先輩に勝ったんだ。


あの美春先輩があたしのことを可愛いと言っている。


美春先輩が泣いてカナト先輩のことを諦めるくらい、あたしは可愛かったんだ!


相手がブスならきっと泣いたりしない。


見かけたその場で怒っていたかもしれない。


それができなかったんだ!