「あたしは……彩羽と山田君みたいなカップルになりたかった」


震える声でそう言った。


カナタ先輩が怪訝そうな顔をこちらへ向けている。


「お互いを思いやって、ちゃんと好きっていう感情があって……」


「あのさぁ、そういうのが重たいって言ってんの。いいだろ? ナナだって俺が最初の男になって自慢できるんだから」


ため息交じりのカナタ先輩。


こんなに冷たい人間に愛情を感じていたなんて……‼


「カナタ先輩……最後にあたしの本当の顔を見てください」


「……は?」


あたしはカナタ先輩の目の前に立ち、フェイスに手をかけた。