フェイス

元通り。


その言葉にあたしは驚愕した。


元通りという事は、葉月に戻るということだ。


あたしは左右に首を振った。


しっかりと意思表示したと思っていたのに、包帯でグルグル巻きにされた顔じゃ、それもままならなかった。


「心配しなくていいからね」


「ち……がう……」


元通りになんてならなくていい。


ユナのように綺麗に。


ナナのように可愛くしてほしい。


「葉月、今はゆっくり眠りなさい」


お母さんがそう言ってあたしの肩をさすりはじめた。


眠りたくなんてない!