フェイス

☆☆☆

それから逃げるように家へと向かっていた。


走りながらも行きかう人が自分を見て笑っているような気がした。


時には指を指されて噂話をされているような気がした。


そんなことはない。


こんな醜い顔だから、そう見えているだけだ。


自分で必死にそう思い込ませて、家の中へと飛び込んだ。


駅前から休まず走ってきたため、全身が汗だくになっていた。


すぐにシャワーを浴びたかったけれど、我慢して自室へと向かう。


ユナのフェイスを箱に戻し、スマホを取り出した。


フェイスを購入したサイトに接続する。


新作のフェイスが想像以上に沢山出ていることを確認して、ホッとため息を吐き出した。