フェイス

フェイスは粘着力を失ったガムテープのようにダラリと垂れ下がってしまった。


「どうしよう……!」


鏡の前で汗が噴き出す。


これじゃ梓のところへ戻れない!


黄色いウミがフェイスの内側に媚びりつき、それを指でこすり取ってみるけれど、やっぱり無理だった。


あたしはフェイスを鞄に押し込めて、そっとトイレを出た。


幸いな事に、梓の座っている場所からここは見えない。


あたしは梓に気が付かれないよう、小走りにファミレスを出たのだった。