フェイス

そう言って、雑誌を彩羽へと返した。


「でも……」


彩羽はなにか気にしている様子で眉を下げた。


「どうしたの?」


そう聞いてから、気が付いた。


彩羽があたしから離れると、あたし1人ぼっちになると思われているのだ。


そう理解した瞬間、カッと全身が熱くなるのを感じた。


あたしにだって他に友達がいる。


フェイスを変えれば素敵な彼氏だっている!


それなのに……!