フェイス

「いいけど……」


そう言い、周囲を見回す。


梓を待っているような人影はなかった。


「ちょっと、相談したいことがあるの」


梓があたしに相談?


それこそ以外なことだった。


勉強でもスポーツでも、なんでもあたしより秀でている梓。


そんな梓があたしに相談することなんて、なにがあるんだろう。


とまどいながら、梓の隣を歩き始める。


「相談ってなに?」


校門を抜けたところであたしはそう聞いた。