フェイス

自分自身にそう言い聞かせ、手鏡を取り出した。


わかっていたことなのに、自分の顔を確認して落胆した。


そこにいたのはマスクで顔を半分かくした、肌荒れのひどい女子高生だった。


制服を着ていなかったら女子高生だとわからないかもしれない。


そのくらい、今のあたしは肌が荒れていた。


肩を押して帰ろうとしたとき、声をかけられた。


「葉月、今日一緒に帰らない?」


そう言って来たのは梓だった。


あたしは瞬きをして梓を見る。


梓は毎日のよう男子生徒や女子生徒からの誘いを受けている。


だからこうしてあたしと帰る事なんて、滅多になかった。