休憩時間になるのを待ってから教室へ入ると、彩羽がすぐに駆け寄って来た。


「葉月、大丈夫なの!?」


大きなマスクをつけたあたしを見て、心配そうな顔をしている。


「大丈夫だよ。今朝メールでも説明したでしょ?」


「アレルギーかもしれないんでしょ? もうビックリしちゃった」


彩羽はそう言ってあたしの手を握りしめて来た。


「ごめんね。急に肌が荒れちゃったから、お母さんもビックリしちゃって、急きょ病院へ行くことになったの」


「そうだったんだ。今日はもう学校に来ないのかもって思ってた」


あたしは席について教室内を見回した。


勇は相変わらず友達と話をしている。


「これくらいで休んだりしないよ」


「そっか。葉月は真面目だね」