そう気が付いたあたしは、そのままショッピングモールへと向かった。


夕方のショッピングモールは人が多くて歩くのにも一苦労だ。


ナナのフェイスなら何でも似合うから、トルソーに飾ってある服を適当に購入しよう。


そう思って歩いていた時だった。


前方から彩羽が歩いてくるのが見えた。


彩羽の隣には山田君の姿がある。


2人とも少し距離を開けて歩いているけれど、2人ともとても嬉しそうだ。


あの2人、付き合うことにしたのかな。


そう思った時、彩羽と視線がぶつかった。


条件反射のように笑顔を向けて、片手を上げていた。