☆☆☆

翌日、鼻歌交じりに登校すると先に来ていた彩羽が駆け寄って来た。


頬が赤く、ひどく焦っている様子だ。


「どうしたの彩羽?」


「ちょっと来て」


そう言われ、机に鞄を置く暇もなく教室を連れ出されてしまった。


「ちょっと、どうしたの?」


今はほとんど生徒のいない渡り廊下まで連れてこられて、ようやく彩羽が立ち止まった。


ここまで走って来たから、2人とも息がきれている。


「あのね、驚かないで聞いてね」


呼吸を整えて彩羽が言う。


「一体なに?」


「昨日の放課後ね、あたし……」