「よかった。彼氏がいるから無理って言われたらどうしようかと思った」


安堵してほほ笑む先輩。


その様子が子供っぽくて可愛くて、胸がキュンとしてしまう。


カナタ先輩はこんな顔も持っているんだ。


「彼氏はいません」


あたしはそう言い、立ち上がった。


そろそろ1時間が経つ。


本当はまだおしゃべりをしていたいけれど、長居をして甘く見られてはいけない。


「じゃあ、ごちそうさまでした」


あたしはそう言い、1人でファミレスを出たのだった。