まさかこんなに早くデートに誘われるなんて思っていなかった。


連絡先を交換しておけばいつでも誘うことができるのに。


「急にこんな事言って本当にごめん。でも、ナナちゃんは可愛いから、きっとモテるだろ?」


おずおずとそう聞いてくるカナタ先輩。


さすがだ。


自分がモテて経験してきたことだから、早く予定を取り付けないとダメになるとわかっているのだ。


勇の時はこうはならなかった。


相手がモテるということがどういうことなのか、理解できていない証拠だ。


「土曜日なら空いてますよ」


あたしがそう返事をすると、カナタ先輩は大きく息を吐き出した。