フェイス

少し緊張が解けて来たのか、カナタ先輩の表情が緩んだ。


同じ学校で年下ということもよかったのかもしれない。


あたしは悩むふりをしてスマホで時間を確認した。


「あと1時間くらいなら大丈夫です」


本当は予定なんてないけれど、あたしはそう言った。


あえて詳しく時間制限を付けることで、人は焦りを感じる。


「そっか。少しだけ、俺と付き合ってくれない?」


カナタ先輩の口調が少しだけ早くなる。


焦っているのが手に取るようにわかった。


「いいですよ」


あたしは頷き、2人で歩き出したのだった。