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行先はカナタ先輩と出合ったショッピングモールだった。


昨日のお昼、彩羽と2人で中庭へ行くとカナタ先輩とその友達がいた。


みんなの会話に聞き耳を立てていると、今日ショッピングモールへ行って、あの可愛い子を探すのだと言っていたのだ。


それを聞いたあたしは鞄にナナのフェイスを忍ばせて学校へ来ていたのだ。


偶然を装って出合う事ができれば、カナタ先輩は喜んでくれるだろう。


放課後のショッピングモールは主婦の人で賑わっていた。


丁度晩ご飯の材料を買いに来ている時間帯だ。


あたしは主婦たちの間を縫うようにして移動し、ショップへと向かった。


カナタ先輩は今どの辺にいるだろう。


色々なお店を1人で見て歩いていると、時々見知らぬ男性に声をかけられた。


早く出合わないと面倒くさいな。


そう思い始めた頃だった。