「なあ、おねえさん。俺さ、まじだからね!」


「……え?」


「全部が全部いきなりだし…そのせいで困らせて悪いと思うけどさ、半年前から此処で働いてるお姉さんに一目惚れしたのもホントだし今も進行形でらぶです!だから……」


「あー…もうっ、宮野!お前またやって……早くしねえと塾に遅れんぞっ!」



真剣な表情を浮かべた彼の言葉を遮るように聞こえた低い声。


反射的にドアの方へと視線を移すと、偶に此処へ彼と緒に来ていた男の子が居た。


"宮野"と呼ばれた私の目の前に居る男の子の腕をしっかりと掴めば、ずるずると引き摺るように出入り口へと引っ張っていく。