おやすみなさいはもう少し。

「きれいなものが好きなの」

なんて言うあいつは、夜の星空だけじゃなく、誰かの笑った顔や、小さなもの、夕焼け、果ては放課後の教室まで「きれい」だって言って笑ってた。

なにがきれいなのか、俺には理解できないものも多かったけど。

(あいつにこの景色、送ってやれば喜ぶかな。)

目を輝かせて喜ぶあいつの顔を思い浮かべて再びスマートフォンを取り出した。