″急にごめんね。会って話したい事がある。近々会えないかな?″
コイツからLINEが来るのはもう一年ぶりだろうか。
むしろ俺の中でコイツはとっくに消え去っている。
中学3年から高校初旬にかけて付き合ってた小百合に俺は振られたっけ。
その理由が他に男が出来たって。
顔はタイプだけど思ってた俺とは全然違うかったって。
冷たいだとか、優しくないだとか散々いわれたっけ。
だから好きな人が出来たから別れたいって、マジわけわかんねー…
つか俺の事をどんなふうに思ってたんだっつー話で。
悔いも後悔もなにもないけど、今更なんだっつーの。
俺と会ってどうする?
取り敢えず返事は返さず、スマホをポケットに仕舞う。
そして何気なく見た窓の外が自棄に暗く感じた。
一度立ち上がり、窓をそっと開ける。
「…雨かよ」
パラパラと降り出した雨は次第に強く降り出す。
なのに遠くの空は明るく晴れていた。
「…雨、降ってんだ」
「……」
不意に小さく聞こえた声に俺は振り返る。
やっと目覚めた芹奈先輩は髪を搔きあげため息を吐き捨てた。
その色っぽい仕草に思わず視線を逸らし、俺はもう一度外に視線を向けた。



