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あの日からずっと芹奈先輩の言葉が離れず、俺の中でムシャクシャしてた。

夏休みが終わり、始業式終了後。


「おい、マドカ」


マドカの教室の扉に手を付け、帰る用意をしていたマドカに向かってそう名前を呼んだ。

その声にマドカは視線を向けるも俺に歩み寄ろうともしない。

その態度に俺は軽く舌打ちをした。


「ちょっと来いよ」


その言葉にもう一度、俺に視線を向けたマドカは鞄を抱えて足を進めて来る。

その姿を見た俺は先に足を進ませた。


「…おー、透哉。今からビリヤードしに行かね?」


廊下でバッタリ出くわしたオサムに俺は無表情で見る事もなく足を進める。

その雰囲気で分かったのか、「あー…お取り込み中かよ」その視線は後ろに居るマドカに移ってた。


人目はつかない体育館の裏。

そこまでたどり着くと俺はさっそく口を開いた。


「お前、俺に何か言う事ねぇのかよ」

「なにが?」

「何がじゃねーだろ。芹奈先輩に何言った?」

「別に何も言ってない」

「付き合ってもねぇのに言うなよ。しかも何で会うなとかお前に決められなきゃいけねぇの?」

「なんで?なんで言っちゃダメなの?」

「お前、関係ねーだろ」

「あるよ!透哉が好きって言ったでしょ?ずっと好きなの。何であたしじゃダメなの?」

「…悪い。マドカとは付き合えねーって」

「そんなに好きなの?先輩が」


一気に低くなったマドカの声。

自分にでも正直今の今まで分からなかった。

だけどマドカに言われて分かった事があった。