「透哉。芹奈先輩と付き合ってんの?」

「は?」


またそれかよ。とでも言いたい。

お前には関係なく、お前とすらもう関係は終わってる。


「付き合ってるか聞いてる」

「付き合ってない」

「じゃ、セフレ?」

「お前なぁ…」

「だって、そうでしょ?透哉と関係持つのってそうでしょ?あたしもそうだったんだから」


確かにマドカが言った言葉は嘘じゃない。

だけどみんなが皆、俺と関係を持ったと言うのは間違い。


小百合と別れた後に付き合うのが面倒だと思った。

その時、現れたのがマドカで、懸命に告って来た俺はマドカを断った。


だけどマドカは身を引く事はなかった。

2年の中でもマドカは派手で、要するにギャルに近い。

そんなマドカが俺に〈付き合ってくれなくてもいい。お互い利用する存在でいい〉その言った言葉を飲み込んだのは俺だった。

お互いがお互い、それで良かったらいい。

他に迷惑なんか掛けないと、そう思ってた。

だけど、今は。


「俺とお前って、もうそう言う関係じゃねーだろ」


ほんとにそうだった。

もうこれ以上、マドカとそんな関係を続けてても俺にとってもコイツにとっても何もいい事なんかなかったから。

だから俺は今年の1月からマドカとは縁を切っている。