「で、余計な事って俺が何した?」

「小百合にいちいち女いねーとか言うなって」


面倒くさそうにそう言って、髪を無造作に拭きながらベッドの隅に腰を下ろした。


「え、お前、女居んの?いつの間に?」

「だから違げーよ!そう言うの言わなくていいから、マジで」

「つーか、ここまでの馴れ初め聞かねーのかよ」

「馴れ初め?そんな事、どーでもいいわ」

「女いねーけど、透哉はお前とはより戻さねーよって俺、ちゃんと言ったし」

「あぁ、そうかよ」

「だけどアイツがそれでもいいからって、会いたいって」

「……」

「好きだからって」

「あぁ、そうかよ」

「真剣に言うから俺に告ってんのかと思った」

「あぁ、そうかよ。で、オチは?」

「ねーよ」

「じゃ、帰れ」

「冷たいね、お前は」


オサムは見ていた雑誌を閉じて起き上がり胡坐を掻く。


「お前よりかは数倍マシだっつーの」

「は?どの内容で?」

「まず俺は女居んのに他の女抱かねーからな。俺とお前の違いはそこ」

「でも別れたら適当に遊んでんじゃねーかよ」

「別れたら自由じゃね?」

「別れたらねぇ…って、つか俺が悪者みたいな言い方すんなよ」

「そのまんま言っただけだろーが」

「じゃあさ、小百合がお前を忘れるために最後に抱いてほしいっつったらどーする?むしろアイツなら言いそうだかんな」

「絶対ねーわ…」


どう考えてでもOKの選択は頭の中にはない。

確かに言いそうだが、絶対にありえねーわ。