家に着いてすぐ俺は風呂場に直行する。

シャワーに打たれながら今日あった出来事が頭の中を過った。


その中でもっとも気になったのは何故か芹奈先輩で。

芹奈先輩は俺と小百合の事をどんなふうに思ったんだろう。と言うどうでもいいような事。


彼女。なんて一括りされてちゃ余計に最悪。

って、それこそどーでもいいわ。


「おーい、透哉?」


ガラッと風呂場の扉があいた瞬間、振り返って目の前に見えたオサムの顔に思わず眉間に皺が寄った。


「お前、勝手に上げってくんな」

「だってお前のねーちゃんが開けてくれたぞ。お前がさLINE返さねーから心配して来た」

「心配じゃなくて面白がって来たんだろーが」

「実はちょっと俺、ドキドキして来たわけで」

「は?」

「女と風呂入ってたらどーしようかと…」

「あー、はいはい。髪洗いてーから閉めろよ」

「へーい」


扉が閉まって軽く舌打ちをする。

面倒くせぇ奴が来たと思えば思うほど、気分が悪くなっていく。

とりあえず乱暴に髪を洗い、そそくさと風呂を出た。



「で、なんか用かよ」



部屋に入るなり、自分の部屋かのようにオサムは俺のベッドに寝ころんでバイクの雑誌に目を通す。



「なんでって聞いてんのに無視すっからだろ。あー言う場合、お前は電話しても出ねぇからな」


ごもっとも。と言える言葉を吐き出したオサムに「当たり前」正直に言葉を吐き出した。