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色んな風景が描かれてある真ん中のページに俺が居る。

全体は描かれてないが、半分の横顔とおっさんちの犬を撫ぜる手。

相変わらずすげぇ絵うまいよな。


やっぱ画家かよ。


「…あっ、見ちゃダメっ、」


勢いよく駆け寄って来た芹奈は持っていたスケッチブックを引っ張る。


「見た?」


再度聞きなおしてくる芹奈に「見た」と俺は正直に答えた。


「もー、見ないでよ。恥ずかしいから」


俯いて恥ずかしそうにする芹奈はスケッチブックを引き出しにしまう。

そういえば、一度、恥ずかしいから見ないでって言った事があった。

あの日はおっさんの犬の絵を見るって事でココに来た。


「もしかして恥ずかしいっつってたやつってそれ?」

「…そうだよ、だから見ないでよ」

「いや、もう見たし」

「……」

「てか別に恥ずかしい事なんもなくね?それにそんな俺を描きたかったんだ」


思わず芹奈を見てニヤリと口角を上げる。


「ち、違う。たまたまワンちゃんの写メに透哉が写ってたからついでに…」

「へー…ついでね。じゃ、ついでにキスしていい?」

「え?」

「さっき邪魔物が入ったし。ほらこっち来て」


芹奈の腕を引っ張って隣に座らす。

そして俺は芹奈に顔を近づけた。