「好き…」

「…うん」


重なり合う度に声を漏らす先輩に口を開くと、恥ずかしそうに告りと頷く。

その表情を見た瞬間、俺は口角を上げた。


「芹奈の事、まじで好きだから」

「あたしも好き」

「大切にする」


どちらともなく重ね合わせた唇。

と同時に芹奈の腕が俺の首に回る。


時間を忘れ、ただ重なり合う快楽に俺はひたすら溺れてた。



「…透哉くん?」


事が終わってシーツの中で抱き合う。

不意に聞こえた芹奈の声に俺は手を動かし頭を撫ぜる。


「うん?」

「あたしの事、好き?」

「なに?まだそんな不安?」

「…ごめん」

「じゃ、このまま朝まで寝よっか」


抱えてた両腕を離し俺は芹奈の顔を覗き込む。

不意に重なり合った視線をスッと芹奈は逸らせた。


「ダメだよ。誰か帰って来るよ」

「居ない振り」

「無理でしょ」


クスクス笑う俺はもう一度芹奈の身体を抱きしめる。

触れ合う肌と肌がこんなにも温かい事を初めて知った。


「芹奈?」

「ちょ、透哉君、息できないから」


ギュッと腕の力を強める俺に芹奈は俺の胸を強く押す。

その所為で力を緩めた俺は再び顔を覗き込んだ。