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「もう透哉何処行ってたの?」


修二と別れて教室まで来た時、頬を膨らませたイチカが居た。


「なに?」

「透哉、芹奈先輩と付き合ってんだ」

「だからイチカ俺にあんま近づくなよ」

「分かってるよ、そんな事。透哉が芹奈先輩選んだのはちょっとショック」

「……」

「でも友達だよね?」

「え、俺とお前って友達だっけ?」

「えー、そうじゃないの?今までそうだと思ってたよ」

「ま、いいけど。あんま近づくなって」

「あーあ、ほんとに好きなんだ。先輩の事…」

「で、お前それ言いに来たわけ?」

「それもだけど、小百合って人とはどうなってんの?」

「小百合?」


イチカの言葉で俺は机にうな垂れてた視線をいっきにイチカに移す。

そんな俺にイチカはふーっと深いため息を吐き捨てた。


「あの人の学校にあたしの友達居るんだけど、その子が言ってた。透哉の事まだ諦めてないらしいよ」

「……」

「こー言うのって、ちゃんとしたほうがいいと思う」

「ちゃんとするって何をだよ。アイツには無理って言ったけど。なんならお前を通して言っとけよ」

「はぁ?あたし関係なくない?」

「俺、会いたくねぇし」

「じゃないと、大変な事になっても知らないよー…芹奈先輩の事傷つけちゃうんだ」

「は?」

「聞いたよ。マドカって人の事。同じ事にならないようにね」


フンっとそっぽ向いて背を向けたイチカに、「どーも」小さく呟く。