「プリンだけずりぃーわ。先輩は俺のなのに」
「…んっ、」
吐息が切れる先輩の唇と重ね合わす。
洗った先輩の髪からジャスミンの香りが鼻を掠める。
その香りいい匂いで心地よくなる自分がいた。
戸惑ってる割には俺を求めようと、先輩も舌を絡めて来る。
息をするのも忘れそうになるくらい唇を重ね合わした。
次第に好きと言う気持ちが込み上げて高ぶる。
もっと。もっと。もっと。
このままずっと触れていたいとそう思ってしまう――…
「…ワンっ、」
不意に聞こえたプリンの鳴き声。もはやコイツの事を忘れてしまっていた。
その声に思わず必然的に唇が離れていく。
そして先輩と目があった時、クスクスと芹奈先輩が笑みを漏らした。
「お前、邪魔すんなよ」
ヒョイとプリンを移動すると再び2人の間に戻って来る。
その行動につられて俺までも苦笑いになる。
「もうプリントしよう」
速攻で切り替わった芹奈先輩に一息つき、俺は再びペンを握りしめたが、いつの間にかそのペンを握っているのが芹奈先輩になっていた。
面倒くさいが勝ったため、プリンとジャレ合う俺に呆れた先輩がプリントを埋めている。
「出来たっ!」
もうどれくらい時間が経ったのかも分かんなかった。
満足そうに笑みを漏らした先輩はペンを置いて仰向けになる。
「マジで?」
「マジで!じゃないでしょ?ほとんどあたしがしたじゃん」
不貞腐れた表情で芹奈先輩は頬を膨らます。
その表情に思わず俺はクスリと笑った。
「どーも。明後日一緒に行こうな」
その言葉に芹奈先輩は不満げな表情を見せた。



