「なんか納得してねぇ言い方だな」
「そんな事ないよ、ほら始めよう」
「ってか場所変えよ。ここは無理。やる気でねぇしなぁ…」
むしろこんな所でしてたら誰が来っかも知んねえし、突然入って来る奴が多数いる限りここは拒否したい。
「じゃあ何処にする?図書館とか?」
「図書館?どこにあんの?」
「んー…分かんない。探す」
「はぁ?面倒くせーな」
「とりあえずその前に家帰っていい?」
芹奈先輩は何故かそのプリントを自分の鞄の中に詰め込んでいく。
ま、鞄もっていかねー俺からしたら助かるけど。
「そー言えば、帰ってねーの大丈夫なわけ?」
今更?と思いつつ口を開く。
立ち上がって、クローゼットの中を覗き込んで服を取り出した。
「うん。友達の家に行くって言ったから、麻友か萌の家だと思ってる」
「でも今、学校だろ」
「そんなことまで考えてないでしょ。多分」
「そうかな。プリンは?夜さみしがってんじゃねーの?」
「夜はママ居るから大丈夫だよ」
「ふーん…ついでに俺も見たいし、ってもう先輩の家でよくね?」
「えー…」
「えー…ってなに?何が不満?」
「絶対、透哉君勉強しないよね?プリンと遊んでしなさそうだけど」
「大丈夫、大丈夫」
そう言ったけど内心、そうなりそうだと自分にでも分かっていた。



