「どしたらい?切ってもいいのかよ、これ」
芹奈先輩に視線を向けると、「いいと思う」クスクス笑った先輩の言われた通りプツリと切ってやった。
「つかなにあれ?あの二人っていつもあぁなわけ?」
「うん。いつもだね」
「まぁなんつーか傍から聞いてたらおもしれーけど。でもなんかなぁー…萌ちゃんと話す時っていつもの晴馬先輩じゃねーよな」
「だって晴馬は萌の事が好きだから」
「あ、やっぱりそうなのかよ」
「萌あんな感じだから気づいてなくて。晴馬が好きとか言ってんだけど、ふざけないでってよく言われてる」
「あー…だから嘘っぽいって?」
「そうそう。あたしより、萌との方が仲いいんだよ晴馬は」
「うん?けど晴馬先輩よく合コン行ってっけど」
「萌に嫉妬させようとしてんの。でもそれが逆効果で、軽い男って萌が悲鳴上げてる」
「なんかマジうけるわ」
「でしょ?面白いよね。これ秘密だよ」
ニコっと頬を緩めた先輩が今までの先輩に戻ったように感じた。
「これからどうする?」
ベッドから立ち上がった俺はカーテンを開ける。
まだ始まったばかりの日差しが照り付ける事にうんざりした。
「ねぇ、これって…」
振り向くと芹奈先輩の手には停学の為に貰ったプリントがある。
隅に置いていた鞄の中から覗かせるプリントが他にもある。



