少女の光を宿さない目はそれを捉えた。 黒い艶やかな髪は風に操られ、美しく舞っている。 「お兄さん」 たった今、殺人を犯した男に話し掛ける。 少女は何も恐れていなかった。 ただ、自分の援助交際の相手が殺されたのでは、行く宛もなく困っただけだ。 後から思い返せば、文句を言っても仕方がなかった。