私は、れんとからなんとか逃れて、席に着いた。まだドキドキしてる。れんとの席はどとこか気になったり、好きって言ってくれて嬉しいな、とか思ったりするのは、なんなんだろう。
しばらくして、教室にれんとが入ってきた。本当に同じクラスだったんだ。私はちょっとときめく。…いや、違う。ときめいてない。れんとは、座席表を見てから、私の方へ近づいてくる。近くなのかな!?そう思っていると、私の隣に、れんとが座った。そして、私以外の女子にいつもしている、王子様スマイルで、
「えっと…よろしく」
と言ってはにかんだ。大抵の女子はこれで落ちる。私は?というと、ちょっとときめいている真っ最中だった。
なんで、なんで。こんなに、れんとが可愛いの。なんで、いつも一緒にいるのに、今日は特別な気持ちになるの。でも、よりによって、初恋がれんと!?ないない、絶対ない。
でも、思わずにはいられない。これはきっと…恋だ。多分。おそらく。恋なんて、したことない。したいとも思わなかった。恋バナ…だっけ、をしている女子の気持ちが分からなかった。
でも、今はれんとの言葉が、顔が、存在が、あるだけでドキドキする。だれか!だれか~!今すぐ私の恋バナ聞いてぇ!!私は心の中で叫んだ。