「ここで寝たら風邪ひくよ?」



気づいたらテレビは消えていて、雨が窓を叩く音がしてた。わぁ、うっかり寝ちゃってた。



あの後録画してたお笑い番組を一緒に見て(怖いテレビに出くわさないため)、いっぱい笑ってホッとしたせいだ。



悠君は洗い物を片付けてくれたらしく、濡れた手を拭きながらこっちにやってきた。



歯磨きをすませたけど、なんとなく足は悠君のいるリビングへ。



「疲れたでしょ、上がっていいよ。俺ここで寝るし」



笑顔でそう言われて立ち尽くしてしまう。



「もしかして、二階に行くのまだ怖い?」



ふるふると首を横に振った。



「……いや。怖く、ない」



「嘘つくの下手すぎだろ」



何も言い返せなくて、口を結んでしまった。



「こっちおいで」



胸が、ドキドキした。
悠君は無邪気に自分が座ってるソファの隣をポフポフ叩いてる。


このちょっと強引な優しさに、いつも助けられてきたな、私。