石塚は国立大学を主席で卒業した秀才で、会社の幹部候補と呼び声の高い男だ。


身長が185センチあり、ルックスもなかなか良い。


まさに三拍子揃った奴だ。


そんな石塚が振られたということに、俺は正直驚いた。



「ほかに好きな奴がいるんじゃないのか? でなきゃ、石塚を振る理由が分からない」


「私も、好きな人がいるのか聞いてみたんだけど、そんな人 居ないって」


「だとしたら、レズか?」


「まさか」


「どっちにしろ興味深い女だな」


「あら、もしかして稲垣さんも その気になったとか」


「ハハ。俺のは ただの興味本位」


「とかなんとか言って、結局は寝るんだから」



確かに図星だった。



ことごとく男を振る女。



どうしても一度会ってみたいと思った。