「あの……違ってたら、ごめんね」 半分だけ振り返る。 南都は頬を上気させ、俺を上目遣いに見つめていた。 「鬼塚くんの好きな人って、も、もしかして……」 ドクン、と血液が激しく全身を駆け巡った。 「ちが……」 ──それでいいのか? 「おれ、は」 ──いいわけねーだろ。 これがきっと最後のチャンス。 だから、ちゃんと。