私は何が起こったか理解できなかった。
さっきまで笑ってたお父さんが倒れてる。しかも胸から血を出してる。ドクドクと溢れる血は止まることを知らない。
「お父さん!!やだよ!!お父さん!!」
私は怖かった。お父さんが死んでしまうと思った。
しゃがんでお父さんの身体を揺するけどお父さんは起きない。起きてくれない。
ドロっとした血が私の手についた。
頭が真っ白で状況を把握できてない。でも涙が次々と溢れた。
すると笑い声が聞こえた。
顔を上げるとさっきの男の人と目が合った。私は思わず小さく悲鳴を上げてしまった。
男の人が持っていたのはナイフだった。そこにはお父さんの血がついて地面に垂れていた。
男の人は私をお父さんから突き放すと笑いながらお父さんをグチャグチャと刺した。
グチャグチャ、グチャグチャ、グチャグチャ、グチャグチャ、
その光景に私は恐怖で声が出なかった。
グチャグチャ、ぐちゃぐちゃ、グチャグチャ、ぐちゃぐちゃ、
私は目と耳と閉じた。
こんな音聞きたくない。こんなの見たくない。その一心だった。
そして私の意識は途絶えてしまった────。

