【短】甘すぎて素直になれない



「日本ではバレンタインデーって、女性からのプレゼントが主流みたいだけど。そうじゃない国もあるって。知ってた? 愛花」

「……知らない」

「だから、俺からあげる」

「え?」



 手が離れたかと思うと、咲也は自分の鞄の中をゴソゴソと掻き回し始めた。



「なに?」



 咲也が取り出したのは、小さな箱。
 ハートの形をした可愛らしい箱だった。



「そんな高級なものじゃないけど」



 そう言って、咲也はわたしにそれを握らせる。
 触れた指先が震えていて、ふと顔を見れば赤くなっていた。


 つられてわたしまで熱くなってしまう。



「愛花、誕生日おめでとう。それと……」

「咲也」

「俺と付き合ってください」

「……え、え?」



 とぼけた声しか出なくなった。