顔がいいだけじゃなくて、優しくするから人気者になるんじゃない。少しは考えてよ。

 そうやってクラスの中心で派手にやってるから、帰りしか話す時間がないんじゃない。



「ねえ、マジで愛花どうしたの?」

「どうもしない! で? 男子バレー部はどうなの? 今度、試合でしょ?」

「まあまあってとこ?」



 同じバレー部ってことで、帰りの電車が一緒になるわたしたち。
 方向も同じってことで仲良くなったわけだけれど、人気があるって知ったのはその後。



「で? 女子は?」

「いつも通り。弱小チームで悪かったわね」

「そんなこと言ってないだろ。今日はずいぶん突っかかってくるのな」

「……うるさい」



 うるさいのはわたし。
 咲也に当たるなんてどうかしてる。